第86回全国高校サッカー選手権大会で、千葉県代表の流通経済大柏高校が全国4119校の頂点に立ちました。今大会、優勝候補の筆頭に上げられ、大変なプレッシャーがかかる中、イレブンは、磨き上げられたその技術を「高校サッカーの聖地・国立競技場」でいかんなく発揮してくれました。初優勝に心から拍手を送りたいです。また、「王国復活」を掲げ、37大会ぶりの優勝を狙った藤枝東のイレブンも、国立にさわやかな風を運んでくれました。試合終了の瞬間は、溢れる涙を抑えることができませんでしたが、その涙は決して無駄ではありません。自由な時間を制限され、3年間をサッカーに捧げてきた高校サッカーの選手たちの思いが詰まっている、大切で貴重な涙です。
敗れた試合の後、選手に声をかける名将たちの言葉も重みがあります。今年、初戦敗退で終わった鹿児島実業サッカー部の松澤隆司総監督は試合後「勝っても感動。負けても感動。これからの人生で勝利を掴み取ってほしい」と選手たちに声をかけました。去年、準優勝に終わった岡山・作陽高校の野村雅之監督は、試合後のロッカールームで泣きじゃくる選手たちに「いくら泣いたって、この事実は変わらない。これから変えられるのは君たちの未来だけだ」。そう語りました。
様々な人たちの、様々な思いが詰まっている全国高校サッカー選手権大会。だからこそ、86回もの歴史が積み重ねられているのですね。来年は国立競技場でどんなドラマが待っているのでしょうか?
(08年1月16日読売新聞コラム「リアルタイム広場」より